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zoom RSS 八甲田トンネル(3)

<<   作成日時 : 2009/05/27 23:42   >>

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本日は入口側から2番目の「屋形工区」についてです。
なお、早速お詫びと訂正を。
(1)で「屋形」の読みを「やがた」としておりましたが、再度確認したところ「やかた」の誤りでした。申し訳ありません。
(1)の記述はこの更新に先立って修正しております。

−◇−


みちのく有料道路の七戸側の入口となる、朱色のアーチ橋を過ぎてほどなく、右カーブの途中から左手に分け入っていく道路がある。

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この道路が「小坪川林道」である。

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青森方から確認する場合はこの看板が目印となる。

さて、資料によると、ここから3.7kmも先に現場があることになっている。
初めて訪れる場所というのは言いようのない不安に駆られるのだが、本当にここなんだろうかという疑念がずっとつきまとっていた。
しかし実は、遺構としてはこの場所から既にそれが始まっているのである。

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それはこの広場である。
おそらくこの場所に、事務所等の機能が置かれていたと思われる。

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この林道、みちのく道路から分岐したはいいがしぶとく脇を並走する。
といってもあちらは平坦、こちらは急なアップダウンとカーブの連続である。
路面は舗装されているものの、荒れている。一方で一定間隔の待避所が現れるなど工事用道路らしい造作も見受けられた。


1年半前に遡るが、この時既に入口の所は空き地であった。
そして路面も悪く、静かであった。トンネルがまだ完成前なのに、である。
実は、事前に仕入れていた情報の中に「みちのく道路沿いの斜坑は保守用として残す」というものがあった。
それは裏を返せば、みちのく道路沿いでない斜坑は潰す、という意味ではないかと勘ぐった。
まさか…。

たえず不安がよぎりながらなおも奥へ進んでいくと、何やら急激に視界の開ける所があった。
そして不意に現れたカーブミラーのあるT字路を振り返ると、

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何ぞこのゲートは。

閉まってはいるが、両側は十分に通り抜けられる。
立ち入り禁止の表示もないので、少しだけ覗いてみることにした。

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!?

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うわー!たっかいなこれは。何段ある?
恐らく十中八九屋形工区の土捨場のはずである。
ただ盛ってあるのではなく、整然と段切りされていて、一定間隔で排水溝も整備されている。
これ自体が実に立派な構造物となっている。

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土捨場の一端には、排水を処理する溜池も設けられていた。
流れ出る水は意外と澄んでおり、妖しい色に染まっていた。

筆者は、その場でしばらく考え込んだ。
…屋形の斜坑はこの斜面のどこかに埋め戻されてしまったのだろうか?
本サイトの滝沢トンネルの章で述べた、立派な盛土への埋没、といういやな展開が急速に思い起こされたのである。

しかし、改めて地形図を見直してそれは否定された。



地図の中心が今筆者のいる所である。
そのもっと南西に、もう一つ平場があると思われるのである。

車まで戻り、さらに先へ進んだ。

…そして、再び視界の開けた場所で筆者は驚愕する…

















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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?

同行していた友人とも思わず顔を見合わせた。なんだなんだ。どういうことだ!?

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近寄ってみた。
どうやら、疑いの余地もなく、屋形斜坑…跡らしかった。

工事用車両が通行できるスペックで、閉塞が前提だったにしては立派な外観である。
ちなみに内部は、最大勾配8.7%、約100mおきにすれ違い用の待避所(勾配3%)が5箇所もあるという。
それがまるで棺桶のごとくフタをされて山中にたたずんでいる姿は異様の一言に尽きる。

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とりわけ気になったのが、この、ぽつんと開いた窓であった。
これは一体何なのだろうか。

97年に開業した長野新幹線から、トンネル微気圧波対策の一環として次のような方針が定められた。
・工事に使用した斜坑は、本坑側から30mを緩衝用として存置する

このことは、現役・廃止によらず、少なくとも本坑側から見れば斜坑が残っていることを意味する。
そのため、この時咄嗟に考えたのは、「将来の高速化に備えて斜坑全体を微気圧波対策で残したのではないか」という推測(妄想)である。すなわち、開業後はこの小窓からある程度の強風が吹き付けてくるのではないか、そしたらかなり面白いことになるのではないか、と。


ところが、この1回目の取材からしばらくして、この時同行した友人から新たな情報がもたらされた。
この穴、どうも、「コウモリの巣箱」らしいのである。ええええー
もしそれが事実なら、列車風など吹き荒れた日にはさすがのコウモリもお手上げだろう。
内部的に閉塞されている、というのが現実的な仮説かもしれない。残念。

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今回の取材で再度撮影した物で改めて全体像を見てみよう。

八甲田トンネルの中間工区は、ほとんど国有林の土地を借用して設けられた。
そのため、借地を返還する際は原状を回復しなければならない。
おそらく坑外設備がひしめいていたであろう斜坑の前の広場は、その目的のためか一面に苗木が植えられ、生長の時を刻み始めた。もっとも、昨年の日照り続きと集中豪雨で何だか立ち枯れたようにも見えるのだが、いずれ遅かれ早かれこの場は樹木に埋まってしまうのだろう。

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おっと、この写真も忘れてはいけない。
坑外設備跡の前にあった道路脇の電柱だが、よく見ると「ここまで三相」引いてある。
大電力が必要だったことの証左と言えるだろう。

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それにしても立派なコウモリの巣ですなぁ。
フタを除けば、以後紹介する他の斜坑に引けを取らない端正な構造をしている。
仮設ならここまで仕上げる必要はなかったのではないだろうか。
ひょっとすると、いつでも復活できるように仕組んであるのだろうか。

などと取り留めもないことを考えつつ、現地を後にした。

−◇−


次回は大坪工区です。
取り付けがやたら立派。

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